粕本集呆の「競馬の花道」

カスPこと粕本集呆と逆神の権兵衛による、日本で唯一、当たらないことを"売り"にしている競馬予想ブログ。

相馬野馬追と大穴の関係

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7月29日から31日にかけて相馬野馬追が行われたらしい。競馬ファン兼歴史ファンとしては、一度は拝んでおきたい行事。

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このブログでも以前触れたのですが、相馬家は関ケ原の合戦で恩義ある石田三成への義理から中立を保ち―津軽為信もそうなのですが、伊達、最上、南部といった大勢力がこぞって東軍についたので、中小の勢力は表立って西軍につけなかった―、戦後改易処分を受けました。かつて対伊達政宗で共闘した佐竹家が哀れんで所領を分けてあげようと提案し、時の当主義胤の心は傾いたのですが、嫡男三胤(石田三成の”三”の字を貰っている)が、幕府に再興を直談判すると言って江戸城に。縁があった旗本・島田重次が本多正信に取りなしてくれ、重次や正信、一説には伊達政宗も家名復興に助力。結果相馬家は中村藩主として存続を許されました。

実はこのとき家康は、相馬家が騎馬の名手と知られていることから、三胤に徳川家の馬術指南ふたり(荒木元清、加藤重正と相手騎手の名前も記録に残っている)相手に江戸城の敷地内で競馬をして、勝てば相馬家の再興を許すと言った。ただ、相手の馬は南蛮から輸入されたアラブ馬、いざレースが始まると、交流GⅠでの中央馬と笠松ホー〇ケア馬くらいの差をつけられてしまう。そんな中、工事中で大きく空いた穴の前で、この競馬を取り仕切っていた本多忠勝がいきなり鉄砲隊に空砲を撃たせたのです。幕府側の2頭は穴を飛び越えたものの、三胤の馬は穴に落ちてしまう。これで三胤競走中止でお家再興は潰えたかのように思われたのですが、忠勝は、

「銃声が聞こえれば穴に入って身を隠すのが正しい心得。この勝負は相馬の勝ちです」

と家康に言上。明らかなこじつけですが、絶望的に不利な条件の中でも諦めず必死に走る三胤に同情した忠勝の機転。家康もそれを察したのでしょう。忠勝の判定を認め、相馬家は再興叶ったのです。

そう、これが「大穴」の語源!……と一説には言われています。

三胤は後に名を利胤と改め、領内の整備や特産品の生産に尽力しましたが、45歳の若さで父義胤に先立って病死。

また、不倶戴天の仇敵・伊達政宗が相馬家再興に助力したのは、ある出来事から。関ケ原の合戦直前、出陣の支度のため、僅かな近習のみ連れて大阪から仙台に急ぎ戻ろうとした政宗が、相馬領を通過させてくれるよう頼んできました。当主の義胤以下相馬家中の多くが「政宗を殺す好機!」と鼻息荒くしたのに対し、水谷胤重という重臣が、

「相馬家は代々卑怯なだまし討ちなどしてこなかった。ここは伊達を無事通過させてあげるべきです」

と進言。義胤も水谷の言を容れ、一夜の宿(現在の福島県双葉郡浪江町の正西寺)を提供し、政宗を仙台に通してあげる。それを後に知った政宗が、相馬家再興を応援したというのだから、これぞ「情けは人の為ならず」。

その相馬家の現在の当主は和胤氏で、実は名馬スーパークリークの生産者(和胤氏の代から相馬家は北海道に移住して牧場を営んでいる)。近年相馬野馬追には和胤氏の息子行胤(みちたね)氏が参加し、特に東日本大震災福島第一原発事故の直後は地域の人たちだけでなく、馬たちにまで心砕いておられたのですが、今年はその息子さんの言胤(としたね)氏。クソ暑い中甲冑を着て馬に乗るのだから、若くて体力がないと無理。私だったら、馬上で干からびて死んでいるでしょう。

 

7月30日の競馬の結果

中央札幌「クイーンS」…三連複8,920円的中(15点)

1着 7番ドゥーラ(1番人気)△

2着 2番ウインピクシス(9番人気)△

3着 1番コスタボニータ(3番人気)◎

 

中京記念では松岡でハナ差負けましたが、今回は松山でクビ差凌いだ。ドゥーラはオークスはフロックではないかと疑っていたのですが、完勝でした。ただ、秋華賞はどうだろうか…?春から成長したと取りたいところですが、マイナス14キロで勝ったというのが何とも評価しづらい。

松岡のトキメキを本命視したものの、またハナ差4着ではないかと疑心暗鬼になって見送ったアイビスサマーダッシュは三連複11万円、三連単に至っては80万円のまさに大穴。昨年の同レースからまる1年振りの9番人気オールアットワンスが勝つとは。しかも鞍上がホーではなく石川に代わっているし。最後の最後、ルパンⅢ世 のフィアットシティーハンターミニクーパーのような走りで抜け出してきた。

トキメキは2着でしたが、勝ったオールアットワンス、3着の12番人気ロードベイリーフは買えたかどうか微妙。トキメキ以外は混戦で印が打てなかったのもケンを決めた理由なのですが、どちらも内枠では、買えても片方だけだったでしょう。外枠有利といわれる新潟千直で、人気薄の2番枠、3番枠両方を買い目に入れるのは無理。