粕本集呆の「競馬の花道」

カスPこと粕本集呆と逆神の権兵衛による、日本で唯一、当たらないことを"売り"にしている競馬予想ブログ。

兵庫の木本直騎手”急逝”の件について。

兵庫の木本直騎手が自殺。各スポーツ新聞は公式の発表に忖度して「急逝」と表現していますが。公式HPはたった一行しか記されていませんが、岐阜県のどこかの競馬場のように、いなかったことにするよりはマシか。幾らかは…という程度ですが。

産経新聞だけが詳細な報道をしていて、車内での練炭自殺で、スマートフォンには「僕には味方がいない」というメモが残っていたという。デビュー時はH厩舎に所属していたのですが、殆ど調教要員扱いで、しかも酷使された挙句、いざ開催になるとまともに馬に乗せて貰えなかったという。それでM厩舎に移ったのですが、今年は幾度も怪我をしてまともな活躍ができなかった。それでも11月8日の復帰以降、12月2日までは騎乗していました。まったく乗り鞍がないわけではなく、笠松の長江程度の騎乗数はありました。ただ、気になるのが、最後の事故を起こした復帰以降所属していたM厩舎の馬の騎乗がない。最後に落馬負傷した9月8日以前は、それなりにチャンスのある馬にも乗せて貰えていた。当日も第1レースで落馬した後、第3レースでM厩舎の馬で3着。でも引っ掛かるのが、その第1レース、他に2頭競走中止になっている。レース映像を視たところ、落馬した様子は映っていないのですが、勝負所まで外で3番手にいたのが後退、他に落馬した2頭はその後方に位置していた。悪いのが誰かは映像では見えなかったのでわかりませんが、木本騎手の馬と他2頭が接触したか。この事故がM厩舎から干される何かしらの要因かもしれません。ちなみに木本騎手の馬、他に落馬した2頭の馬ともにM厩舎の馬ではありません。落馬なら長江も東川慎もデビューしてしばらくは頻繁だった。落馬そのものより、その後のことで何か師匠とトラブルを生じたのかもしれません。12月6日の開催以降は、どういうわけか他厩舎の管理馬の騎乗すらパッタリなくなった。

自殺というのは必ずしも競馬場でのことだけが理由ではなく、あまり波を立てないで欲しいという遺族の方々の意向もある。だから水野翔の件もそうですが、何があったか詳細に公表しろとは言いません。ただ、いなかったことにしたり、公式HPで1行記してあとは緘口令だと、いらぬ憶測を招いてしまう。早速あちこちのサイトで彼の自殺についての考察が記されており、中には八百長を持ちかけられて断ったが故に孤立してしまったとか、挙句の果てには、八百長の口止めのために自殺を装って殺された可能性があるとか、噴飯ものを通り越して名誉棄損ものの憶測が記されているところもある。それは度が過ぎているにしても、ネットでは「地方競馬の”闇”」とあちこちで言われている。まあ、「闇」などといういかがわしい言葉が出てくるのは笠松競馬が八百長事件をやらかしたことによる地方競馬全体へのイメージ悪化も原因でしょうが、兵庫にもそういういびつな「空気」が漂っていたということでしょう。

主催者は何が背景なのかはっきりさせ―それをわざわざ公表する必要はないが―、同じようなことが起きないよう、若手騎手たちをケアしていかなければなりません。厳しい勝負の世界なのだから勝てない騎手は淘汰されていくのが当然、二十歳前後の若者とはいえ甘やかしてはいけないというかもしれませんが、騎手のキャラクターも千差万別。本気で伸ばす気があるなら、預かった人間は真剣に向き合い、その若者に合った方法で導いていくべきでしょう。H調教師のようにその気がないなら最初から預かるなということ。それは地方競馬教養センターも同じ。デビューさせました、あとは向こうの問題だから知らん……ではなく、YJSに参加資格があるうちは、メンタルのケアをする等の環境も整えていくべきだと思います。スポーツの中でも危険な部類に入る競馬は尚更。私は木本直という騎手がどういう性格の若者だったのか知りませんが、まともに騎手として扱ってもらえない→厩舎を移籍したが落馬による怪我を頻発→何があったかはわからないが現在の所属厩舎から干される……ではメンタル的に追い詰められるのは当然。「兵庫ゴールドトロフィー」も何か買う気がしなくてケンしましたが、しばらく園田のレースと、笠松でも園田の馬が出てくるレースの馬券は買いたくないというのが正直な気持ち。